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ギフト用線香はどういったときに贈るの?

線香の選び方や贈るときのマナーを詳しく知りたい

ギフト用線香の選び方から贈り方まで解説

仏教では線香はご先祖様や仏様のごちそうになると言われていたり、煙を通じて故人や仏様と心を通わせるといった考え方から、ご供養には必要不可欠なものとされています。そんな線香をギフトとして贈りたいと考えたとき、贈る際のマナーや相場が気になる方は多いのではないでしょうか。

この記事では、ギフト用線香の選び方や贈る際のマナーなどを以下の項目に分けてご紹介いたします。

目次

  • ギフト用線香とは
  • ギフト用線香を選ぶ際のポイント
  • ギフト用線香を贈る際のマナーと注意点

ギフト用線香とは

ギフト用線香は『進物線香』『贈答用線香』『線香ギフト』と様々な名前で呼ばれ、どれも相手に想いを届けるのに適した贈り物です。家庭用の線香と違い、人に贈ることを前提として作られており、しっかりとした木箱の中に線香が小分けで納められています。

では、なぜお線香を贈るのでしょうか?

古くからある日本の風習

古くから日本では通夜や葬儀の際に哀悼の意を込めて線香を贈る風習があります。仏教では『人は亡くなると香りを食べる』という考え方があり、亡くなってから四十九日が過ぎるまでの間、線香の香りが故人のお食事になります。故人は線香の香りを食べながら四十九日間かけて浄土へと向かいます。

現在では線香の代わりに現金をお供えする『香典』がほとんどですが、線香を贈ることは故人を偲ぶ気持ちを伝える、仏事における本来の弔意と言えるでしょう。

線香をお供えするのは仏教だけ

線香をお供えするのは仏教だけです。神道やキリスト教などは線香をお供えしないので、贈る前に相手の信仰している宗教を確認しましょう。

線香を贈るタイミング

訃報を知ったら出来るだけ早く贈りましょう

線香を贈ることは、故人に対して哀悼の意を表す行為ですので、贈る時期に決まりはありませんが、訃報を知ったら出来るだけ早く進物用線香を贈りお悔やみの気持ちを伝えましょう。最近ではご時世柄、宅配便で贈ることも珍しくありません。宅配便で届ける場合はご遺族に宛てたお悔やみ状を添えて贈りましょう。

線香を贈る主な場面

線香はシーンを問わず贈ることが出来ますが、線香を贈る代表的な場面をいくつかご紹介します。

通夜・葬儀に参列出来ない時に

線香を贈る最も代表的な場面としてあげられるのが通夜・葬儀に参列出来ない時です。

本来であれば通夜・葬儀に参列するのが最善ですが、やむを得ない事情で参列出来ない場合に弔意を表す方法の一つとして線香を贈ることがあります。弔意を表す方法といえば香典が一般的ですが、香典はご遺族に香典返しの手間を取らせてしまうといった一面があります。線香は香典と違い受け取った場合の香典返しの決まりがなく、お返しはしなくても良いとされています。そういった理由から線香はご遺族に気を使わせることなくお悔やみの気持ちを伝えることが出来るお供え物として選ばれています。

同じような理由から喪中見舞いの贈り物にも選ばれています。

初盆やお盆のお供えに

お盆の時期は故人や先祖の霊がこの世に帰ってくるといわれており、お供え物や提灯などで盛大にお迎えして供養をします。特に四十九日の忌明けから最初に迎える初盆は親族や僧侶などを招いて手厚く供養をします。

初盆やお盆には故人の好きだったものやお供え物の基本とされる五供(花・ローソク・線香・飲み物・食べ物)をお供えするのが一般的です。特にお菓子や果物などの食べ物はお供えの定番として選ばれることが多いですが、夏場の傷みやすい時期には日持ちが良く傷みにくい線香がおすすめです。

結婚前の挨拶や結納の際にも

あまり知られていませんが、結婚前の挨拶や結納の際に相手のご両親やご先祖様へ感謝のしるしとして線香を贈ることがあります。慶事用の線香は仏事用と異なり朱色の煌びやかな箱に納められているものが多いです。

お悔やみ状を添えるとより気持ちが伝わります

直接お渡しできない場合は、ご遺族に宛てたお悔やみ状を添えて贈るとより気持ちが伝わり丁寧な印象を与えます。白無地の便箋か、一筆せんにお悔やみの言葉を添えて贈りましょう。

ギフト用線香の主な販売場所

線香選びに迷ったら仏壇仏具専門店へ

初めてギフト用線香を購入する方・線香選びに迷っている方には仏壇仏具専門店での購入がおすすめです。

仏壇仏具専門店ではお手軽なものから高級なものまで様々な種類の線香を取り扱っています。仏事に関する知識を持った店員さんから、贈答の種類に合わせた予算や線香についてのアドバイスをいただくことが出来るので、線香の知識が無くても安心して購入できます。

百貨店

ギフト用線香は百貨店でも販売されています。種類も豊富に取り揃っており、専門店と同じように相談しながら購入することが出来ます。

通販

大手通販サイトや専門店のオンラインショップなどネットで購入することも出来ます。実店舗と違い24時間いつでもその場から購入出来るのが一番の特徴で、近くに専門店が無い方・お店に寄る時間が無い方・一人でじっくり選びたい方に多く利用されています。専門店のオンラインショップでは、包装や掛け紙、お悔やみ状などを細かく指定できます。

ギフト用線香を選ぶ際のポイント

価格と相場

ギフト用線香は原材料の品質や量によって価格が大きく異なり、下は1,000円程度のものから上は50,000円を超えるものまであります。金額にこれだけの差があると、一体いくらの線香を贈ればいいのか迷う方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで、ご参考までに贈る方とのご関係を基準にギフト用線香の相場をご紹介します。

価格贈る方とのご関係ギフト用線香の特徴
1,000円台~2,000円台ちょっとした知り合いやご近所の方などなるべく気を使わせたくない相手へのお供えに選ばれています。色んな香りを詰め合わせたアソートタイプやろうそくとセットで販売されている商品が多くあります。
3,000円台~4,000円台お知り合いや職場の同僚などへのお供えに選ばれています。ギフト用線香のメインの価格帯になるため、定番から変わったものまで種類豊富に揃っています。
5,000円台~9,000円台ご友人や職場の上司といった目上の方へのお供えに選ばれています。貴重な天然香料を調合した重厚感のある見た目の商品が多くあります。
10,000円台~親戚やお世話になった恩師など古くからのお付き合いのある方へのお供えに選ばれています。希少価値の高い天然香料をふんだんに調合した高級感のある見た目の商品がほとんどを占めます。

※こちらで紹介したのはあくまで一例です。お世話になったから、親戚だからといって絶対に高価格の線香を購入しなければいけないということではありません。無理のない範囲の予算でいい香りの線香を贈ることが先方への良い贈り物になるでしょう。

香りの種類

様々な香りの種類がある線香ですが、代表的な2種類の香りについて紹介いたします。

香木系

香木系は白檀や沈香などの香木をベースに作られた線香で、古くから日本の仏事に使われてきました。特有の爽やかさと甘味のある香りは線香の定番として多くの寺院やご家庭で親しまれています。

フローラル系

フローラル系はお花の香料を調合した線香です。クセが少なく柔らかい香りが特徴で、線香になじみが無い方でも気軽に香りを楽しむことが出来ます。桜やラベンダーや百合など様々な香りの線香が販売されています。

ちょっと変わった線香も

最近では飲み物やお菓子の香りを再現した線香も販売されています。故人に関連したものを思い出しながら選ぶことができると人気です。

線香の香りに決まりはありませんので、故人が好きだった香りやご自身の好みの香りを選んでみましょう。気になる場合は先方に好みの香りを確認してから贈るのも良いでしょう。

香りの強さ・煙

香り・煙がひかえめの微香タイプ・微煙タイプの線香は、窓を閉め切った部屋でも煙たくなりにくい・香りが残りにくいといった特徴から、集合住宅にお住まいの方に好まれています。

特に炭を原料に作られた線香は煙や香りがほとんど出ず、消臭効果もあるのでお部屋の空気をリフレッシュしたいときにもお使いいただけます。

ギフト用線香を贈る際のマナーと注意点

次にギフト用線香を贈る際のマナーと注意点について紹介します。

家庭用線香を進物として贈るのはNG

通夜や葬儀などの大事な場面で家庭用線香を進物として贈るのは失礼にあたります。綺麗に納められているギフト用線香を贈りましょう。

包装と掛け紙をかけて贈りましょう

贈る際は包装と掛け紙をかけた状態で贈りましょう。品物をむき出しのまま贈るのは大変失礼にあたるのでお控えください。

掛け紙の書き方

掛け紙とは奉書紙(ほうしょし)に表書きなどを記入し、品物に包んだ上から水引を結んだものを指します。奉書紙は楮(こうぞ)を原料に使用した和紙で、その純白さから大切なことを伝える和紙として香典やご祝儀を包むときにも用いられています。現在ではコピー用紙に印刷された『簡易のし』と呼ばれるタイプがほとんどを占めています。ちなみに、一般的に慶事に使う場合はのし紙、弔事に使う場合はのしをつけないので掛け紙と呼びます。

掛け紙はのし・水引・表書き・名入れの4つで構成され、贈る場面や時期でのしの有無・水引の結び方・表書きの内容などが変わります。

今回は一般的な弔事(仏式)で贈る場合の書き方をご紹介いたします。

掛け紙は毛筆か筆ペンで記入する

初めに、掛け紙は必ず毛筆または筆ペンで記入しましょう。ボールペンやシャープペンシルで記入したり、黒以外の色で記入するのはマナー違反になります。弔事は『急な訃報で墨を十分に用意できなかった』という意味を込めて薄墨で書きますが、四十九日以降の法事はあらかじめ日程が決まっているため濃墨で書いても問題ありません。

のしはつけない

掛け紙全体のことを『のし』とお思いの方がいらっしゃいますが、正しくは祝儀袋の右上にある飾りのことを指します。正式名称は『のしあわび』と言い、干した鮑を薄く伸ばして贈り物に添えていた習慣からきています。縁起物の意味を持つのしは弔事では使いません。

水引は結び切りを選びましょう

水引とは掛け紙中央にある紐のことを指します。弔事の場合、紐の色は主に黒白や双銀(一部地域では黄白)で結び方は結び切りを使用します。結び切りは一度結ぶと簡単に解けないのが特徴で、弔事の他、一度切りがよいとされている結婚祝いや御見舞にも使われています。

慶事との主な比較

弔事慶事
のしつけないつける
水引の色白黒・双銀・黄白赤白・金銀・赤金
水引の結び方結び切り結び切り・蝶結び

表書きは贈る時期で変わります

表書きとは掛け紙の上段に書く、贈り物に関する記載のことを指します。弔事の場合は亡くなられた日から四十九日を境に書く内容が変わります。地域や風習で異なる場合もありますが一般的な具体例をご紹介します。

御供

亡くなられた日にちや贈る時期、宗派関係なくどんなときでも使用することができます。表書きに迷ったときは御供を書いておくと間違いはありません。

御霊前

故人が亡くなられてから忌明けとなる四十九日法要まで使用します。故人が仏様になる前なので『御霊前』と書きます。※真宗系では霊という考え方がない為、御霊前は使用せず御仏前を使用します。
主な使用例・通夜や葬儀の際に

御仏前(御佛前)

四十九日法要後に使用します。故人は四十九日を過ぎると成仏して仏様になると考えられていることから『御仏前』と書きます。
※御仏前は御佛前を略字化したもので両方同じ意味です。どちらを使用していただいても問題ありません。
主な使用例・一周忌や三回忌などの年忌法要に

四十九日法要前四十九日法要後主な使用例
御供時期宗派関係なく使用できる
御霊前
(真宗系は×)
×通夜や葬儀の際に使用(真宗系除く)
御仏前×
(真宗系は〇)
一周忌や三回忌などの年忌法要・仏前のお供えなどに使用

初盆御見舞

四十九日が過ぎてから初めて迎えるお盆(初盆)に使用します。
※初盆の表書きは御供・御仏前でも問題ありません。

喪中御見舞

比較的新しく出来た表書きで、喪中はがきなどで訃報を知った時に使用します。

名入れの書き方

名入れとは掛け紙の下段に書く名前のことを指します。

名入れは贈り主の名前を表書きより少し小さめに記入します。名字・フルネームどちらで書いても問題ありませんが、フルネームの方が相手が誰から受け取ったものかすぐに分かるのでなるべくフルネームにしましょう。特に親戚同士の集まりは同じ名字が多くなるのでフルネームがおすすめです。

個人で贈る場合

個人で贈る場合は下段中央に書きます。

連名で贈る場合

連名の場合は立場や年齢が高い順に右から左へ書きます。立場や年齢が関係ない場合は五十音順に右から左へ書きます。尚、連名できる人数は3人までとなっています。

4名以上で贈る場合

4名以上の場合は下段中央に代表者1名の名前とその左側に少し小さく『他一同』や『有志一同』と書き、別紙に全員の個人名を記入し一緒に添えます。

夫婦連名で贈る場合

夫婦連名の場合は右側に夫のフルネーム、その左側に妻の名を夫の名と揃えるように書きます。

会社名や肩書きを入れる場合

下段中央に名前を書き、その右側に小さめに会社名や肩書きを書きます。会社名に英数字が使われている場合、そのまま書くとバランスが悪くなりやすいため、カタカナに変換して書くのが望ましいです。

内のしと外のしの違い

掛け紙には内のしと外のしの2種類のかけ方があります。どちらの方法でかけていただいても間違いはありませんが、お供え物がたくさん集まる弔事や法事では一目で贈り主が分かる外のしが多く使われています。

のし特徴
内のし品物に直接のし紙を掛けてから包装紙で包む方法
主に内祝いで使われる
外のし品物を包装紙で包んだ上にのし紙を掛ける方法
相手先に贈り物がたくさん集まる場合に使われる

包装

ほとんどの仏壇仏具専門店や百貨店では包装のサービスを行っています。購入した際に包装をお願いしてみましょう。ご自身で包装する場合は、包装紙は落ち着いた色合いのものを選び、裏面の合わせが左上、または上から下へ被さるように包みましょう。慶事の場合は包み方が逆になります。

まとめ

ギフト用線香の選び方や贈る際のマナーについてご紹介しました。最後に本記事について簡単にまとめます。

線香の選び方

  • 線香選びに迷ったら仏壇仏具店での購入が最適
  • 相場は親しい関係の場合は5,000円~10,000円、それ以外の場合は3,000円~5,000円
  • 香木系は線香の定番、フローラル系は線香になじみが無い方におすすめ
  • 煙や匂いが苦手な方には微煙・微香タイプ

贈る際のマナー

  • 包装と掛け紙をかけた状態で贈る
  • 掛け紙は贈る場面や時期で書く内容が変わる
  • 表書きに迷ったら御供(時期宗派関係なく使えます)
  • 包装に自信がないときは購入する際にお店にお願いしてみましょう

故人や仏様のごちそうと言われている線香は、慶弔様々な場面で気持ちを伝える一番のお供え物として選ばれています。

選び方やマナーなど本記事を参考にしながら、いい香りの線香をギフトとして贈ってみてはいかがでしょうか。